【訃報】「世界のオザワ」指揮者・小澤征爾さんと盲導犬の支援活動。

2024年2月6日、小澤征爾さんが亡くなったという訃報が流れました。日本人でありながら、ボストン交響楽団の音楽監督、ウィーン国立歌劇場音楽監督を務め、世界の「セイジ・オザワ」と讃えられた日本で最も著名な指揮者のお一人です。

あまり知られていませんが、小澤征爾さんは生前から日本盲導犬協会に対して継続的に支援をおこなっていました。この記事では盲導犬の支援活動をするに至った理由や活動内容について、まとめました。




目次

小澤征爾さんの愛犬「ズーニィ」

小澤征爾さんの愛犬は、「ズーニィ」という雌のボーダーコリーです。奥様も娘さんも犬好きで、ご本人が犬好きになったのは家族の影響が大きいということを日本盲導犬協会のインタビューで答えられていました。ご家族そろって、愛犬家なのですね。

ちなみに「ズーニィ」って変わった名前だと思ったので意味を調べて見たのですが、Zuniは英語で米国ニューメキシコ州の先住民族を意味するようです。何かゆかりがあったのでしょうか。

日本盲導犬協会への寄付とCM出演

小澤征爾さんは、長女で作家の小澤征良(せいら)さんと愛犬「ズーニィ」を通じ、公益財団法人日本盲導犬協会の理事さんと知り合ったことがきっかけで盲導犬育成を支援するようになったそうです。

2014年には日本盲導犬協会ACジャパンCMに出演して話題になりました。この楽曲は無償で提供されたそうです。さすが世界のマエストロですね。こちらがそのCMです。

目が不自由な方のために、CMの内容を盲導犬協会の公式HPより一部引用させていただきます。

CMで使用されている楽曲はベルリオーズ「幻想交響曲 作品14Ⅱ.舞踏会」。ワルツの調べにのって、小澤征爾さんが指揮をする映像から始まります。コンサートホールには演奏に酔いしれる一人の男性の姿が。その足元に1 頭の盲導犬が寄り添い共に音楽に聞き入っています。うっとりするような犬の表情を包み込むユーザーの手が、その頬をやさしく撫でます。盲導犬との出会いで広がっていく世界。ユーザーの喜びを表現した映像に、幻想的なワルツの調べが軽やかに流れ、ほんの数秒で人々を劇場へと誘います。“大好きな人”と出会うために、盲導犬と共に劇場へやってきたユーザー。その表情には静かな感動が表現されています。
盲導犬ユニットの数だけ、それぞれに広がっていく世界があります。この先、その世界を更に広げるためにはみなさんの力が不可欠です。あなたの会いたい人はどこにいますか?その人に会いに行く時の気持ちを想像したら…、理解の輪が広がる予感がします。

公益財団法人日本盲導犬協会公式HP(https://www.moudouken.net/message/ozawa_seiji/)より

一見、指揮者と盲導犬活動は何の関係もないように思えます。

しかし舞台裏を考えながらCMを観ると、小澤征爾さんが音楽を通してできることをやろうという想いが伝わってくるような気がして、温かい気持ちになります。




まとめ

私の母が小澤征爾さんのファンだったので、幼い頃からご活躍する様子を見て来ました。2010年1月に食道がんを患っていることを公表されてから、体調が良くなると車椅子を使ってでも舞台に上がり、椅子から立ち上げって指揮棒を振る姿に心打たれたことを覚えています。

日本盲導犬協会のインタビューで盲導犬のイメージを問われた際の小澤征爾さんの答えは「信頼」でした。

この記事をきっかけに、日本屈指の指揮者である彼が盲導犬を支援する活動をおこなっていたことを、知ってもらえたら嬉しいです。

晩年は病気との戦いだったマエストロ。しかし、思い浮かぶのは若かりし頃のエネルギーにあふれた姿ばかりです。どうか安らかにお休みください。



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この記事を書いた人

「動物も人間も幸せに暮らせるようになって、動物園や水族館がなくなったらいいな」って考えてる、少し変わった飼育係。ひれあし担当。

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